Porsche AGが、経営危機のどん底から、起死回生をはかり水冷化が行われました。
最後の空冷ボクサーエンジンのtype 993から、水冷のtype 996に移行したのが、1997年。
それより先行する1996年に、986ボクスターが初の水冷ボクサーエンジンとして登場しています。
993までの空冷ポルシェは、ドライサンプ方式という、エンジンオイルでエンジンを冷却する手法が、356から連綿と続いています。実際には、空冷というより油冷という方が正しいと思います。
一応、水冷化してからの996,997,986,987もセミドライサンプ方式ですので、半水冷半空冷とも言えます。
986,996からは、993までのSOHCからDOHCになりました。吸排気効率からはシングルバルブよりダブルバルブのほうがいいことは当たり前です。このダブルカムを駆動するために、クランクシャフトからカムシャフトに伝えるためのシャフトが、「インターミディエートシャフトIMS」です。
それまでのSOHCでもIMSはありますが、ダブルカムシャフトを駆動するために、IMSにかかる負担は倍増しました。その結果、このIMSを固定しているボルトが破損したり、軸受のベアリングが破損したりする事象が発生しているようです。
2006年以降に生産された水平対向エンジンには対策部品が使われているようですが、IMS破損の発生は0ではないようです。987,997後期型からは、直噴化されたとともにIMS自体がなくなりました。
直噴化は大々的にアピールされましたが、IMSがなくなったことは、全く触れられていませんでした・・・
実際にはインターメディエートシャフト損傷は走行10000~20000kmで発生することが多いこと、から、自分のボクスターは大丈夫だと思ってました・・・・